なかなか道筋が見えない再稼働議論。その大飯原発がある若狭湾一帯は、15基の原子炉がひしめく「原発銀座」です。そして、その足元には10以上の活断層が確認されています。
活断層が及ぼす影響を調べるため、24日、福井県の敦賀原発に調査が入りました。
敦賀原発の敷地内を貫くのは「浦底断層」。さらに、断層の周辺には160本もの地層の割れ目、「破砕帯」があります。原子炉の真下も通る「破砕帯」が、断層の影響をどの程度受けるのか懸念されていました。
今回の調査は敦賀原発第二号機、その真下を通っている地層にある「破砕」と呼ばれる割れ目がどんな影響を与えているのかをみる調査です。
地層中にある破砕帯。一定の幅で存在しています。破砕帯の危険性を指摘し続けてきた専門家がいます。
「ひとつひとつ(の被砕帯は)地震を起こさないかもしれないが、本体の活断層が大きく動いたときにおつきあいで動いてしまうと。それで原子炉が壊れてしまうのでは」(東洋大学・渡辺満久教授〔変動地形学〕)
関西・北陸・中部の各電力会社に供給してきた敦賀原発。1号機は日本初の商業用軽水炉として40年以上、こうした状況で稼働を続けていたのです。今回の調査はどう評価されたのでしょうか。
「浦底断層が動いたときに、もともとある破砕帯が再活動した印象。確定論的に言うためにはまだデータが足りない」(産業技術総研・阿部信太郎活断層地震研究センター長)
「見直さざるを得ない。もう少し深堀の調査をしないと判断できない」(保安院担当者)
原子炉の下を通る破砕帯は、断層に引きずられて動く可能性が出てきたといいます。活断層や伴って動く断層の上に原発を建てることは許可されないため、原発立地として「不適格」となる恐れがあるのです。
「敦賀は待ったなしです。すごい近くに活断層があることが分かっていて、その活断層が動いたときに土地がずれることも分かっている。そこは(敦賀原発は)止める」(東洋大学・渡辺満久教授〔変動地形学〕)
保安院は、敦賀原発の詳細な地質調査を再度行うよう指示しました。
「再調査は行って調べていただいてもそういう問題じゃなく、原子力政策ということを考える時期に来ている」(敦賀市民)
今後、全国の原発で評価の見直しはどう進むのでしょうか。(24日23:01)
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